ぬりみさき10連ガチャRTAのプレイ動画を撮ってみた

この記事は、ペンシルパズルI Advent Calendar 2022の12日目の記事です。

adventar.org

 

こんばんは、初月葉桜です。

今回はタイトル通り、ぬりみさき10連ガチャRTAをプレイして、それのプレイ動画を撮りました、という話です。動画を見て、自分が解くときに何を考えてたのかを振り返ってみよう、という趣旨で記事を書いてみました。

「ぬりみさき10連ガチャRTA」とは?

まずはそもそも10連ガチャとは何ぞや、という説明です。今回やったのは、みゃーみゃさんが開発したペンシルパズルガチャに搭載されている、「RTAモード」の「ぬりみさき10連ガチャコース」です。10×10サイズのぬりみさきを自動で10問生成し、それをすべて解き終えるまでのタイムを計測できる楽しいツールです。

ちなみに、ヤジリンやシャカシャカのコースや、10種類のループパズルが混ざったコースなどもあるほか、自分でコースを作成してそれでタイムを測ることもできます。自分が普段よくやっているのはシンプルループ10連ガチャRTAですね。

ペンシルパズルガチャについては、ペンシルパズル百科にも詳しい説明があります。

scrapbox.io

 

プレイ動画を振り返る

さて、タイトルや冒頭でも述べた通り、プレイ動画を撮ってみました。

youtu.be

とりたててタイムが良いわけではないのですが、これでもあまりグダグダにならなかった方だと思っているので、これについて、解いていた時に考えていたことを書いてみます。(ちなみに動画撮るのは4回くらいリテイクしました)

あらかじめ、RTAの結果を先に貼っておきます。

1問目 0:22~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/2k.g.p.i.i.n4g2g2x..h.h.n.h.i2l..h4l

(0:22)まずは数字ヒントから見ていたのですが、とりあえず2の周辺しか決まりません。

(0:28)その後は左下と右上を少し進めていますね。左下では2の下を、右上では2の上を白マスにすると、黒マスによって盤面が分断されてしまうので、黒マスが確定しています。

(0:40)右上ではその後、2行目10列目の丸が上や下に伸びるとやはり分断されるので、左に伸びると確定しています。白マスがひとつながりになるように、というのは割と多くの問題で意識することが多かったです。

(0:59)ここで唐突に黒マス2つを決めています。これは、決めた2マスのいずれかが白マスだと仮定して進めると、みさき全表出ルールや黒マス2×2禁などにより白マスが発生し、結果として右端に孤立した白マスができてしまうため、仮定が間違っている、というものです。このあたりのことを頭の中で考えてたのですが、この思考が早くなるとタイムも良くなりそうですね。

    

(1:07)ここで決めた黒マスは、一番下の4が上に伸びると仮定するとハタンするから、という理由で決まったものです。図のように、上に伸ばすと黒マスがいろいろ決まるのですが、このまま進めると左下が孤立するため、矛盾してしまいます。

その後右下を進めてますが、先に図のような感じで進める方が絶対早そうですね。すぐ決まるところを見落としたりするのは、早解きする上では克服したいところです。

(1:34)4が下に伸びると2×2禁ルールに反する、ということで左に伸びると決まるのですが、結構ここを決めるまでに間があったような気がします。言い訳すると、「どこから決まりそうか」というのが結構見えづらいなーと思いました。数字のところから決めるのがなんとなく早そうではありますが……

あとは比較的素直で、解になるように黒マスを置いていく感じでした。解答判定が出れば良いので、終盤はなんとなく解を探っていく雰囲気になることも多いです。

2問目 1:52~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/3k3r.i.i.n.j.g.i2j.m8t7t.g4h.g3h

(2:20)今回は数字が多く、この辺りまでは素直に決まってくれました。が、そこから先、左上のエリアがとっかかりに乏しく、手が止まってしまった感じです。ここでは、3行目4列目の丸が下に伸びると仮定したところ、左上の方でハタンしたので、下に伸びないことが確定しました。

結果的には脳内で処理するには長めの仮定でしたが、多分「解を引けたらラッキー」という気持ちで直接塗っていたように記憶しています。その後もなんか解を見つけるのに手こずって30秒くらいぐだぐたしてますね。序盤が親切な問題だった割に遅いのはそういうことです。

3問目 3:09~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/g.r3n2j3i.q.i.j.k5u4g5j.i.j.l.g

この問題も最初に数字ヒントから結構決まっていくのですが、なぜか右上の3を放置して左上を進めてますね……。なんとなく角から詰めて解けるところまで解いていく、というスタイルをとっているようです(他人事)。

(3:59)ここで4の向きを決めているのは、上に伸ばすとハタンする、ということです。さっきからこういう2択の仮定を結構やっている気がします。人が作った問題ではないので、明確な理詰めがないことも多々ありますし、それでこういう解き方が多くなっているのかもしれません。あと、早く解く上では理詰めを探すより手を動かしたほうが早い時も多分あります。(その割に自分は結構考え込んでしまうタイプですが)

あとはぬりみさきの解っぽくなるように黒マスを置いて完成です。

4問目 4:12~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/.i4j.h.m.k.g.q.h3k.j5i.j.k3m.j.i.i4h.l

この問題は、最初は数字に注目していった後、全体の白マスのつながりを意識して白マスを伸ばしていくことで割とスムーズに解けました。左下の4が上に伸びて、それにより決まった黒マスから、5が左に伸びず、さらにそれにより左の3が上に伸びると決まって、一番上の4まで連鎖していくという流れです。数字ヒントから決まるとはいえ、結構決まり方は緻密な方かもしれません。

(4:47)何も解説しないのもあれなので、ここでは右下の決まり方を軽く見ていきます。ぬりみさきの丸のマスは、三方が黒マスになるため、丸のマスを通過するように白マスを伸ばしていくことはできません。つまり、黒マスとみなしても大きな齟齬はないかな、と思います。したがって、右下の3から下に伸びた白マスは、7,8列目にある丸を避けるようにして、一番下の行を進んでいくことになります。このように考えると進む場面が割とあります。

5問目 5:00~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/l.g.g2l.g.j.p.q.i3j2i2g2j.zg.4h.g.h2g

(5:30)右下の2の向きは、右上から伸びる白マスの通り方を考えると決まります。先ほど述べたように、丸を通過して白丸を伸ばすことはできません。したがって、右上の白マスは、4行目で丸と黒マスの間を通って左に抜けようとしても、6列目の丸に阻まれてしまいます。よって、8行目9列目のマスを通って、右下から中央下というルートで白マスが伸びます。8行目9列目が白マスと決まるので、右下の2は左に伸びることになります。

結局終盤手が止まって、十数秒してから答えを引きに行っているんですよね。手が止まってすぐ引きに行けば良いのですが、つい理詰めを探して考え込んでしまうのが自分だなという感じです。動画で振り返ると手が止まっている時間が顕著に表れているので、そこを改善できると早くなるのでしょうか。

6問目 6:17~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/m.h4w.g.h.i.j.t.i.g.h.k3g2p.j4n2

(6:30)少し手が止まってからおもむろに3マス黒を決めていて「何をしているんだ??」と自分で思ってしまいました。これは、左下の4を含む白マスがどうやって左下のエリアを脱出し、他の白マスとつながるか、を考えた結果になります。

図のように、左端から抜けていこうとすると、白マスが伸びて4というヒントに矛盾してしまいます。したがって、下側を通って進んでいくと分かり、その結果として黒マスが3マス確定します。

(6:46)ここも先ほどやったことと近いです。先ほどまで考えていた白マスのカタマリは、左上の4の方に進まないといけません。その際、右端を進んで右上隅の方を通ろうとすると、黒マスが邪魔になり通ることができません。したがって、8列目の4行目と6行目にある2つの丸の隙間を通り抜ける必要があり、黒マスが6つ確定します。

なお、その後に右上の方を確定させていますが、ここでは「カップの手筋」というものを、最上段にある丸に適用しています。カップの手筋については、SP1さんによるぬりみさき手筋集に記載があるのでそちらを参照してください。他にもいろいろな手筋が書かれており、参考になります。

sp1-puzzle.hatenadiary.jp

7問目 7:17~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/.n8u6g.h4q3q.h.k.k4t.g.h.g.n

大きい数字があって親切!かと思いきや、この問題が一番時間がかかりました。

(7:42)何をしているかというと、6が左か下の2択なので、左を試してみよう、という感じです(手が止まる前にやってほしい)。左に伸ばすと、左端の4も一緒に決まり、1枚目の図のようになります。次に、カップの手筋をここでも活用すると、3の下のマスは白マスに決まるため、3が下に伸びます。ここから、白マスを脱出させようとすると、2枚目の図の点を打ったマスは白マスになりますが、実際には丸の周りに黒マスも確定してこのように通ることはできません。このように長い仮定を経て、6は下に伸びることが分かります。

繰り返しにはなりますが、ここでも白マスの伸び方を考えています。全部の丸を白マスを介してつなげるパズル、と思っても良いかもしれません。

    

(8:12)ここで左端の4が下向きだと決めています。これは、4が上向きだと紆余曲折を経て左下でハタンするからです。ただ、早解きするなら、ユニークネスを用いた方が早いかもしれません。

例えば、左端の領域は、次の図のように2通りのパターンが考えられますが、いずれも他の場所に影響を及ぼさず、成立しています。すなわち、4が上向きで正しいとすると、解が複数あることになりますが、ここで出題されるパズルは唯一解が保証されていると思われるため、4は上向きではありません。

    

このような、解が唯一であるという事実を用いた考え方はユニークネスと呼ばれ、早解きする際では使われることがあります。ただし、間違った推論をすると間違った結論を出してしまうため、自分はちゃんと理解できていないものは使わないようにしています。

8問目 9:12~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/l.h.3l2l.l.m.q.i.h.k.j.g2n2k.h4j.i2g

(9:15)左端の7行目のマスは、白マスだと仮定すると、そこから白マスが上下に伸び、2のヒントと矛盾します。そのため、ここを黒マスだと決めています。もっとも、右下を早く決めてしまった方が有意義な気はしますが。

(9:40)ここでは、「Nの手筋」が使われていますね。

(9:50)このあたりでまた手が止まっていますが、丸が少ない広いエリアが残ると手の付け所が分からなくなったりします。この時は結局、それっぽい黒マスの塗り方をして解にたどり着いていますが、こういう「それっぽさ」っていうのは言語化できるものなんでしょうか?

9問目 10:41~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/i.g.g.h.m7r.n.j.g.p.n6i.g.g4j.i.h.i.n

この問題が一番早く解けました。大きめの数字により全体が序盤でだいぶ決まる、親切極まりない問題でしたね。とはいいつつ中央上の方でなんかもたついてはいるのですが。

難しいことはしていないと思うので、解説は省きます。

10問目 11:23~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/h2v3h.s2k.j3i3j.x.g.k.k.g.i.g.h

(11:32)下の方で唐突に黒マスを決めていますが、これは特徴的な形で見覚えがあったから気づけたかもしれません。

最下段の6列目、8列目の丸、どちらでも良いのですが、上に伸びると仮定します。すると、2つ上の丸は下向きに伸び、白マスは左右方向に伸びて脱出しなければいけません。ところが、9行目の4列目、10列目にある白丸が邪魔をして、脱出することができません。したがって、今触れた最下段の2つの丸はいずれも上向きに伸びません。

ここで出てきた、正六角形をつぶしたような配置の6つの丸(8~10行目、4~10列目)の形が特徴的なのですが、それと似た形が実は6~10行目の6~8列目にある5つの丸によって作られています。先ほどと同様に考えると、丸の伸びない方向が確定し、黒マスが決まります。

この問題は、ここが山場で、残りは(やや細かい部分があるものの)比較的進めやすかったです。別に早いというわけではないです

おわりに

さて、10問分振り返ってきたわけですが、把握はしていた「詰まったときに手が止まって、しばらくして仮定しだす」という癖を、実際に客観的に目の当たりにできた気がします。

また、解説をざっくりと書いてみましたが、こういうことを考えながら解いているというのが少しでも伝わったなら幸いです。使っている手筋は場面場面で異なりますが、「白マスを脱出させるような感覚でつなげる」というのはいろいろな場面で根底にあったかな、と思います。

パズルの解説って丁寧に書こうとすると大変ですが、解説の需要とか、効率よいやり方とかは気になりますね。

ちなみに、白マスの印を書かずに解いていたのは、その方が操作にかかる時間が省けるんじゃないか、と思っていたのと、最終的に白マスのつながりが書かずに見えるようになったら良さそう、と思い心の目を鍛える目的でした。真似しても良いですが自己責任でお願いします。

最後に、ペンシルパズルガチャのプレイ動画公開を許可してくださったみゃーみゃさんにこの場を借りてお礼申し上げます!

それではまたー。

競技ナンプレの精進についての考察

はじめに

こんばんは、初月葉桜です。ブログが習慣化しないタイプの人間なので何年かぶりの記事です。

 

先日、ポーランドで開催されたWSPC(世界ナンプレ・パズル選手権)に参加してきました。そのうちWSC(世界ナンプレ選手権)は191人中31位で、3年前にCチームとして参加した際の234人中55位よりも良い結果でした。

これを比較すると(順調かはさておき)競技ナンプレ力は上がっているように思います。確かに、ナンプレファンのようなナンプレの雑誌を買って解いたり、スマホアプリで空き時間にナンプレを解いたりと、昔に比べると練習量は増えているように思いますし、バラエティ(変種)ナンプレを解く力もSGP等の大会を通じて上がっているのかなと思います。

 

それではなぜこの記事を書いているのかというと、今のままではこれ以上の成長がなさそうな予感がしているからです。もっと上の方を目指すなら、もう少し意図をもって練習を積むのが良さそう、と思ったので、備忘録もかねてどんな練習が良さそうかなと考えてまとめてみることにしました。最適解とかではなくあくまで自分の考えるやり方なので、ご承知おきください。

なお、今回はSGP対策を想定して考えてみます。(多分他の大会にも通ずる部分があるはず)

 

クラシックナンプレを解きまくる

SGPではどのラウンドでも4~5問ほどクラシックナンプレが出ます。各門の配点はあまり高くないですが、ちりも積もればなんとやら、というわけでここをしっかり早く解けるようになっておきたいところです。ちなみに、直近のSGP(2022 Round8)では、600点中134点がクラシックなので、約2割がクラシックです。問題数としても14問中6問なので、そこそこの割合を占めているような気がします。

また、バラエティナンプレもルールによっては最終的にクラシックナンプレに帰着するので、その意味でも練習のし甲斐はかなりあると思います。せっかくなのでクラシックナンプレの練習の有用性をアピールすべく、参考文献も貼っておきます。

note.com

さて、取り上げたタイガーさんの記事ではHard Classic、つまり難易度の高いナンプレを主に解いていたみたいです。自分の感覚では、SGPに出るクラシックナンプレは配点が低めなので、X-wingレベルの手筋はあまり要求されないイメージがあります(本当はこのあたりを精査してちゃんとどのレベルまで練習すべきかを決めないといけないのですが)。なので、もう少し難易度の低い問題を中心にとにかく量をこなす、というのもありかなと思っています。

特に、自分は解き方に癖があるのか、所要時間にばらつきがあり、配点と所要時間の間に正の相関がないことがあるので、安定して早く解けるようになっておくと良さそうです。

また、終盤に数字を埋める早さというのも地味ながら効いてくる部分だと思っているので、「書く場所」と「見る場所」を別々にする、手と目を別々に動かす、というのができるようになると、もう少し早くなるかも、と思っています。

なので、クラシックナンプレについては、「安定したタイムを目指す」「目と手を別々に動かす」を意識しつつたくさん解いて練習しようかなと思います。大量のナンプレファンとナンプレ館が積まれているので、まずはそれから消化しますかね。特に、ナンプレファンは所要時間目安が書いてあるので、「安定したタイムを目指す」際に役立ちそうです。積み本が減ってきたらニコリの数独本も解いていきたいですね。(恥ずかしながら、実は数独通信をあまりまだ解いたことがない)

 

バラエティナンプレは定番ジャンルを攻める

続いてバラエティナンプレです。SGPやWSCでは、なんやかんやで点数的にも問題数的にもバラエティナンプレの方が比重が高いので、こちらも練習しておきたいところです。しかし、クラシックナンプレと異なり、様々なルールが存在し、網羅するのは不可能です。

というわけで、割とよく出るイメージのあるルールに重点を置いて練習するのが良いのかなと思っています。具体的には、Diagonal, Killer, Windoku, Irregular, Antiknight, Fortress, Arrows, Consecutiveあたりがよく出るでしょうか(ここも本当は精査すべきですがまだしてないです)。他にもOutsideとかLittle killerとかPalindromeとかRenbanとかCloneとか挙げればきりがないですね。頻出分野の練習をすると、その練習の成果を出す機会が多くなるので、結果も全体的に上がりやすいんじゃないかという気がしています。

ところで、バラエティナンプレは作者による解き筋が用意されている可能性が高いと思っているので、それを見つけて解いていくとコーナーで差をつけることができそうです。というわけで、大会の過去問など、人の手で明確に意図をもって作られた問題が練習には最適かなと思います。(とはいえ意図がどれほど用意されているのかは解いてみないと分からないですが。)

バラエティナンプレをまとまって解ける媒体はあまり多くない印象なので、やはり前述したナンプレファンや、SGPなど大会の過去問を解いていくのが良いのかもしれません。大会の過去問なら、多少マイナーなルールのバラエティナンプレも解けるのでお得ですね。

大事なのは理詰めを見つけて解ききることだと思うので、多少時間をかけても丁寧に解いていこうと思います。

 

終わりに

というわけで、自分のことなので実際どれだけやっていけるのかよく分からないところはありますが、これを実践して来年のSGPで今年より良い成績を残せるよう頑張りたいと思います。(WSCの目標は、まず予選に通ることですね)

 

(次の記事がいつなのかは分からないですが)ではまた。

パズラー向けきらら入門

はじめに

ブログではお久しぶりです。

こんかいはパズルから少し離れて「パズラー向けきらら入門」という記事を書きました。なぜこんなことになったのかというと、

ちょうどデレマスの総選挙が行われているらしい

それに対して「『パズラー向けデレマス入門』記事が欲しい」という声が上がった

便乗して「パズラー向けきらら入門」という単語を発したところ、一定の需要がありそうだった(本当?)

なら書いてみよう

という流れです。

※この記事はしばらくほったらかして寝かせていたので、総選挙はもう終わってるっぽいですね。

 

多分パズル界隈にいる時の自分とは違うテンションで書くので生暖かい目で読んでください。ではさっそく本文を書いていこうと思います!

 

「きらら」とは?

(この見出しは長いので「おすすめの作品を知りたい」という方はとばしちゃってどうぞ。でも読んでくれると嬉しい。)

この記事でいう「きらら」とは、芳文社が出版している「まんがタイムきらら」およびその姉妹誌、そしてそれらに掲載されている作品のことです。実は一口に「きらら」といっても「まんがタイムきらら」「まんがタイムきららMAX」「まんがタイムきららフォワード」「まんがタイムきららキャラット」という4つの月刊誌があります。かつては「まんがタイムきららミラク」という月刊誌もあったのですが、残念ながら現在は休刊中です。

以下、それぞれの雑誌を「無印」「MAX」「フォワード」「キャラット」「ミラク」と書くことにします。長いので。

きららの月刊誌にはそれぞれ雑誌のカラー(雰囲気?)みたいなものがあります。らしいです。自分はいまだにそれを言語化できないのでそれはさておき、「フォワード」とそれ以外には決定的な違いがあります。「フォワード」以外の4誌は4コマ漫画の雑誌であるのに対し、「フォワード」はストーリー漫画誌だということです。「フォワード」は他と比べて2倍くらい分厚いので、視覚的にも違いが表れています。

では、以下にそれぞれの雑誌について簡単に書いていきます。

まんがタイムきらら

毎月9日発売。¥345+税。よく「無印」と呼ばれる。

連載中の作品でアニメ化したものは「ゆゆ式」「スロウスタート」「あっちこっち」。他には「けいおん!」のかきふらい先生が描いている「けいおん!Shuffle」や「三者三葉」の荒井チェリー先生が描いている「むすんで、つないで。」なども連載されてます。

(余談ですが、自分がきららを読み始めたころには「けいおん!」は連載終了していたらしく、「けいおん!」の存在は知っていたもののきららの作品だと知ったのはしばらく経ってからでした。)

特に推している作品は「星屑テレパス」「さかさまロリポップ」です。パズルと関連付けできたらあとで紹介するかもしれません。「さかさまロリポップ」は癒し。

 

まんがタイムきららMAX

毎月19日発売。¥345+税。

連載中の作品でアニメ化したものは「ご注文はうさぎですか?」「ステラのまほう」「こみっくがーるず」。少し前までは「きんいろモザイク」も連載していて、今月号から再始動しました。きららを知らない人にも「ごちうさが連載してる雑誌」といえば伝わりそう。

個人的な推しは「初恋*れ~るとりっぷ」「みわくの魔かぞく」「エンとゆかり」など。そういえばパズル界隈で鉄道好きの人ってあんまり見かけないような気がしますね。

 

まんがタイムきららフォワード

毎月24日発売。¥536+税。分厚いのでややお高い。

連載中の作品でアニメ化したものは「夢喰いメリー」「はるかなレシーブ」「球詠」。現在アニメ放送中の「球詠」はめちゃくちゃ熱い野球漫画なのでみんな読んでor見て。あときらら知らなくても知ってそうなのは少し前に連載を終えた「がっこうぐらし!」とかFUZ(芳文社の公式漫画アプリ)に移籍した「ゆるキャン△」とかでしょうか。どうやら次号から「がっこうぐらし!」も再始動するようです。

推しは「球詠」「スローループ」「SA07」。「SA07」はオタクに読んでほしい、多分刺さるので。

 

まんがタイムきららキャラット

毎月28日発売。¥345+税。

連載中の作品でアニメ化したものは「ひだまりスケッチ」「Aチャンネル」「キルミーベイベー」「NEW GAME!」「ブレンド・S」「アニマエール!」「まちカドまぞく」「恋する小惑星」。あらためて並べてみるとめちゃくちゃ多い。これに加えて「おちこぼれフルーツタルト」のアニメ放送が決まっています。

推しは「まちカドまぞく」「恋する小惑星」「RPG不動産」「あやしびと」。「まちカドまぞく」は2大推し作品の1つなので全方位に推したい。

 

既に1800文字くらいありますね、真面目にここまで読んでくれた人ありがとうございます。そしてまずは気になった月刊誌を買ってくれると嬉しいです。1冊に20~25くらい(フォワードは20弱)の作品があるので、少なくとも1つは好きな作品が見つかるのではないかと思っています。

では続いていくつか作品をピックアップして紹介していきたいと思います。

 

まちカドまぞく(作者:伊藤いづも)

アニメ化もした、まんがタイムきららキャラット連載中の「逆転マジカルヒロイン4コマ」。現在単行本5巻まで発売中。なぜ「逆転」かというと、この漫画の主人公こと吉田優子は「まぞく」だからです。ざっくりいうと、「ある日突然ツノとしっぽが生えたまぞくが、町内に住む魔法少女を倒すために奮闘する」物語です。

この漫画の主人公、吉田優子(通称シャミ子)は、ある朝目が覚めるとツノとしっぽが生え、母親から、先祖の像に魔法少女の生き血を与えて吉田家にかけられた「月4万円生活の呪い」を解くように言われます。シャミ子がさっそく魔法少女を探していると、千代田桃という魔法少女に出会います。彼女は学校で隣のクラスで、シャミ子はなんとか桃を倒そうと試みますが桃に振り回され……?

この漫画のマイ推しポイントは、「緻密に作られたストーリー」と「細かすぎる描き込み」、「シャミ子と桃の関係性の変化」の3つです。

1点目の「緻密に作られたストーリー」については、ネタバレを避けるべくあまり詳しくは触れませんが、とにかく伏線回収がすごいです。そして各単行本終盤になるにつれ急速に盛り上がっていくストーリー、先の読めない展開と、読んでいて引き込まれます。というわけで、これからまちカドまぞくを読む人は、必ず1巻の最初から順番に読んでくださいね。

2点目の 「細かすぎる描き込み」は、ストーリーの本筋とは関係ないものの、主に背景に細かい小ネタが用意されているということです。これもあってか、2回目以降読み返すと新たな発見があったりします。小ネタを探そうと意気込んで読むのもよいかもしれません。中には虫眼鏡を使った方が良いくらい細かな描き込みも……?

3点目の「シャミ子と桃の関係性の変化」については、これもネタバレを避けるべく多くは語りませんが、「シャミ子にとっての桃」と「桃にとってのシャミ子」という2つの要素が徐々に変化していきます。これもまちカドまぞくの大きな一要素といえそうです。

ここまで書きましたが、「パズラー向け」と書きながらパズル要素がないですね。そういえば桃色魔法少女こと千代田桃は筋トレ大好きですが、パズル界隈では数独の練習をすることを筋トレと呼ぶそうですね。ということは千代田桃は数独が得意……?(違います)

それは置いといて、まちカドまぞく関連のパズルといえば、例えばこのあたりでしょうか。

盤面に「シャミ子」と書いてあるアイスバーン

http://puzsq.sakura.ne.jp/main/puzzle_play.php?pid=2339

盤面に「シャミ」と書いてあるのりのり(見づらい)

http://puzsq.sakura.ne.jp/main/puzzle_play.php?pid=1490

盤面に「モモ」と書いてあるLITS(hotatenohontateさん作)

http://puzsq.sakura.ne.jp/main/puzzle_play.php?pid=1457

ほうきたてさん作オリジナルパズル「まぞくのしっぽ」

https://twitter.com/hotatenohontate/status/919929306754592769?s=20

ちなみにシャミ子の誕生日は9/28,桃の誕生日は3/25です。この表出があるパズルはもしかしたらまちカドまぞく読者が作っているかも?

 

スローループ(作者:うちのまいこ)

え、突然パズルの紹介ですか?違います、きららフォワード連載中の釣りを題材にした漫画です。あと2週間弱すると単行本の3巻が出ます。いずれアニメ化してほしい……!

ストーリーは、釣りが好きな少女、ひよりが海岸で釣りをしていたところに春の海で泳ごうとした少女、小春がやってきたところから始まります。ひよりは父親を癌でなくしており、一方の小春は母親を亡くしています。そんな2人はちょうど親の再婚相手の娘でした。突然姉妹になった2人の日常を描くあたたかなストーリー漫画です。

タイトルの「スローループ」の「ループ」というのは、盤面に描かれた1つの輪っか……ではなく、釣りの用語のようです。(第2話より。)上で述べたようなあたたかいストーリーも持ち味ですが、釣りにまつわる知識が作中に登場するので、知らないことが知れて面白いです。釣り以外にも、釣った魚を料理するシーンがあり、例えば漬け丼の作り方とかが描かれています。漬け丼すごくおいしそうなので1回作りたいなと思ってますが機会がない……。

自分はスローループを読む前は釣りに関する知識はほとんど持ってませんでしたが、釣りとそれ以外が程よく混ざっているので、釣りを知らなくても難なく読めます。とにかく「やさしさ」がこもった作品だと思うので、ぜひとも読んでもらいたい作品です。

 

どうして私が美術科に!?(作者:相崎うたう)

全人類どうびじゅを読んでほしい。

結論を急ぎすぎました。自分が最も愛する作品、どうして私が美術科に!?、通称「どうびじゅ」は、まんがタイムきららMAXで連載されていた作品です。全3巻。アニメ化してません。なぜだ……

どうびじゅの主人公は、「間違えて」高校の美術科に進学してしまった少女、酒井桃音です。間違えて進学したことを誰にも言えないまま、課題の居残りで使われていない空き教室へ向かうと、そこには巨大なだるまのかげで居眠りしていたクラスメイト、竹内黄奈子に出会います。桃音はうっかり黄奈子に間違えて美術科に入ってしまったことを話してしまいますが、黄奈子はそれを肯定してくれます。その後居残り仲間に蒼、紫苑、翠玉が加わっていき、桃音たちは楽しい美術科居残りライフを満喫します。

といいたいところですが、この作品は楽しい居残りライフを描いているだけではなく、各キャラの抱えている悩みについてもかなり突っ込んで描かれています。例えば黄奈子は両親が単身赴任中で寂しさを抱えていて、美術科にいる意味について悩んでいて、それはどのように変化していくのか、が描かれています。各キャラの内面にも深く触れていくところが、この作品の醍醐味の一つだと思います。

あとはやはりキャラ同士の関係性ですね。1話で最初に出会った桃音と黄奈子、幼馴染の蒼と紫苑、中学では先輩と後輩の関係だった黄奈子と翠玉……作中では様々な組み合わせが出てきます。特に上で挙げた3組には注目ですね。桃音と黄奈子に関しては、1話目から早速「黄奈子ちゃん/桃音が美術科に入ってくれてよかった」ですからね、もうクライマックスですね。先生同士の絡みも良いですよ。

ここから先は余談というか裏話を。

話は変わりますが、「トケタ?」というパズルの同人誌があります。現在Vol.7まで出ていて、最新号のVol.7は142ページあります。自分もありがたいことに制作にかかわらせていただいてます。実は自分がかかわっている同人誌は他にもあって、それがどうびじゅの合同誌です(名義は異なりますが)。どうびじゅの合同誌は2冊出ていて、1冊目はイラスト、2冊目は考察記事を載せていただきました。その2冊目というのが、なんとトケタVol.7の倍くらいのページなんですね。トケタも同人誌としては分厚い方だと思っていたので、ちょっと驚きです。それだけどうびじゅは読者に愛された作品、だと思います。なのでぜひとも読んでほしい作品です。

 

話は再び変わりますが、桃音・黄奈子・蒼・紫苑・翠玉の5人が居残りをしているのは、使われていない空き教室である美術X室です。それにちなんで、5人が美術科紹介展に作品を出す際に決めたチーム名が「Xanadu」(ザナドゥ)です。美術X室の'X'から始まる単語で、「桃源郷」という意味ですね。

トケタ?……Xanadu……どこかで見たことあるような……

茶番はこれくらいにしておいて、実はトケタVol.7のブロックパズル17番は、どうびじゅを意識して作ったものでした。せっかく自分で自由にワードが設定できるので、盤面を「Xanadu」の組に分けるブロックパズルを作ろうと思ったのですが、別に作るうえで「Xanadu」である必要性はないわけですね。そこでどうしようかと考えた結果、「Xの文字をX字状に並べる」という発想に至り、あのような見た目の問題になりました。気になる方はトケタVol.7を買ってみてください(ダイマ)。多分何も言わないと読者の99%くらいには伝わらないので、この場を借りて言うことにしました。以上、前置きの長い裏話でした。

 

おわりに

というわけで、きらら誌の概要と、作品の紹介(+α)を長々と書いてみました。勢いで書いているので、間違ってたり伝わりづらかったりする部分があったらすみません。今後も気力があれば作品紹介を追加していきたいです。

というわけでパズラー向けきらら入門でした。最後までお付き合いくださりありがとうございました!

 

 

Heads-up Puzzle League #3 振り返り

Heads-up Puzzle League,通称HPLの第3回にHazakuraとして参加しました。参加したのはもう1か月以上前ですが、先日枝豆さんが実況解説付き動画をあげてくださったので、それに関連して軽く振り返りをしてみようかと思います。

なお、動画のネタバレが少々入るので、先に動画を見ることをお勧めします。

HPLの詳細と動画は以下の枝豆さんの一連のツイートからどうぞ。

 

 

ちなみに今回の目標は3勝です。#2では10敗してしまったので。

 
1戦目 A1.Fillomino  vs.Kota

動画では自分の解いてる場所が悪くてほぼ何も映っていないですが、勝ちました。

枝豆さんの解説通り、中央の「いずれにせよ」を見つけてそこから順当に理詰めしてった感じでした。途中中央の8とその右下の7のあたり(deuさんが消していた部分)で若干手が止まりましたが、スムーズに解けたのではないかと思います。Kotaとは10秒差くらいだったらしく、見直しの程度によっては提出負けしてたかもしれません。まず初戦のここで勝てたのは大きかったです。

余談ですが、理詰めで解くと見直しをあまりしなくてもよいので、見直しはあまりしないタイプです。

インタビューの声が小さいのはマジですみません。

 

2戦目 F1.LITS  vs.SP1

厳しい問題でした。負けました。

右上にLが2つ入って分断、という入口は見えましたが、右上だけ見てもパターンが多くてどうしよう、という感じでした。結局あまり手が動かず、その間にSP1さんに引かれてしまいました。

そもそも理詰めしづらいこの手のLITSは苦手(&LITS自体早くない)なので負けて仕方ないかな、と思わなくもないです。どうすればよかったんでしょうね……?「上のブロックの右側にLが入るとつながらなさそう」みたいな感覚が欲しい。

 

3戦目 E1.Skyscrapers  vs.fff

作者枝豆さんの予想を裏切り引き分けました。

Skyscrapersも苦手な方です。苦手を克服しようと海外の本を買って解いてみたりもしましたが、まだまだですね。

なかなか進まないので仮定をしてみましたが、なぜか仮定した両方のルートでハタンしてしまい、タイムアップしました。

fffは間違えたまま進めて大きくタイムロスしていたようなので、理詰め力があれば勝てていた勝負かもしれません。あるいは相手がミスしなければ普通に負けていたような気もします。Skyscrapersは頻出なので鍛えておくべきですね。

ちなみに自分も昔は最大数字の入らないマスに斜線を引いていたりしました(今はやっていない)。今回は7の入るエリアは早々に決まりますが、その後が大変でした。

あと動画内で「堅実」とか「初心者が見本にしやすい上級者」とかいろいろ褒めてもらえてうれしいですが、そのタイミングで解ききれなかったのはなんというかちょっと悲しい……

 

4戦目 C1.Diagonal Sudoku  vs.EctoPlasma

勝ちました。

Diagonal Sudokuはたまにえぐいチェインが仕込まれているのでちょっと怖かったですが、今回は普通に解ける問題だったので助かりました。

Diagonal Sudokuはとにかく対角線に注目して解くことにしているので、それが比較的うまくはまったのかなと思います。あとは3つ入る候補数字もちゃんと書いていたのが良かったかもです。

ちなみに最近は2マスの候補は境界線に書いたりします。そうじゃない時もありますが。

5戦目 Slitherlink  vs.panista

負けました。推定40秒~1分差。

だいぶ前にpanistaさんに「葉桜ニコリ系早くない?」と言われていたのもあって勝ちたいなーと思っていた勝負でしたが、ダメでした。途中まではいい勝負だったように見えるんですがね……

右上の小ループ禁を少し見落としてたのは一因かもしれないですが、それだけではないような気もします。手が止まってしまうのを減らしたい。

インタビューによるとpanistaさんはこの手のSlitherlinkが苦手らしいですが……マジか。

 

抜け番 G1.Numberlink

手元に自分が解いた時の紙がないので時間が分からないですが、1分台前半だったかと思います。特に引っかかることもなく解いた記憶があります。

 

6戦目 B1.Coral  vs.deu

Coralは苦手です。負けました。

2列同時に見る、みたいな自分の苦手とするパターンがなかったのは救いでしたが、終盤で詰まりました。先読みを要する問題が苦手……?

 

というわけで前半終わって2勝3敗1分け。あと1勝すれば目標達成です。

 

7戦目 A2.Kakuro  vs.Kota

非常にもったいない負け。

最初は全然決まらないなーと思って盤面を眺めていましたが、始まって少し後に実はちゃんと計算してました。後半動画の5:50~6:20のあたりで用紙に「→249」「↓236」というメモをしていたんですが、差が16じゃないのでスルーしてしまいました。反省。

計算した後作意通りに進めていたところで勝てていたかは若干怪しいですが、Kakuroは得意な方だっただけに悔しい負けでした。

 

8戦目 F2.Minesweeper  vs.SP1

若干想定外の勝ちでした。

大域手筋には終始気づきませんでした。最初はなんとか理詰めを探していましたが、進まなかったので、少しして仮定に切り替えました。インタビューでも少しふれられてましたが、二段以上の仮定は泥沼になりそうなので一段仮定に抑えました。一度は左上で勘違いして仮定を誤りましたが、なんとか勝てたという感じです。

途中でSP1さんが全消ししたらしい雰囲気だったので、「まだチャンスがあるかも」と思って仮定を続けていたのが良かったです。

それにしても「穏当な仮定」という言葉がちょっと面白い。

 

9戦目 E2.Ying Yang  vs.fff

負けました。

Coral同様、詰まった時に弱い。二段仮定しない人なので、すぐにつぶれない仮定が苦手なんですね。外周の切れ目の定理を忘れていたのが大きな敗因だった気がします。それだけでもないような気がしますが。

ちなみに黒丸を律儀に書いていくのはさすがに手間だったので途中から塗りました。

 

10戦目 C2.Castle Wall  vs.EctoPlasma

引き分け。無理。

めくった時点で無理そうだなと思っていましたが、これはどうするのが正解だったんでしょうか……?仮定するにもとっかかりが見えなかったので、何も進まなかったです。動画を見た後理詰めで解き直しましたが、10分では終わらなかった気もします。まあ負けがつかなかったので良かったんですかね。

 

11戦目 D2.Hundred  vs.panista

勝ち。やったー。

縦との兼ね合いで中段左右の9が両方1の位になって、中央が12になって、そのあと中列の2択を引きました。

誕生日云々の話は本番の問題では気づけなかった(というかちゃんと知らなかった)ですが、例題の数字はよく見ると知ってる誕生日でした。

枝豆「早いけどdeuさんほどではないかな」←面白い。

 

抜け番 G2.Statue Park

これも手元にタイムがないですが、勝者のタイムよりは明らかに遅かったです。確か5分台くらい。

Statue Parkは苦手というわけではなく、割と理詰めで解けるものだと思ってはいますが、別に早くもないです。ちなみに自分はリストを消していく派です。

 

12戦目 B2.Araf  vs.deu

勝ちました。Fastestうれしい。

先に戦っていた2人が引き分けてたのでどうなることかと思いましたが、Fillomino同様順当に作意をたどれたようなので良かったです。左下をスタートにして、どの数字がペアになるか、というのをメインに考えて進めていった感じでした。穏当な問題でした。

それにしても思いのほかdeuさんと差がついていたんだな、というのが動画を見た率直な感想です。作意をたどれれば結構早いのかもしれない?

 

終結果は5勝5敗2分けでした。まさかイーブンで終わるとは。

対人成績を見ると、fff以外の5人に1勝ずつで、特に相性というものはなさそうに見えます。

こうして振り返り記事を書いてみると、いろいろ反省点が見えたりして勉強になりました。

次回のHPLは自分の作った問題で開催されます。動画が上がったらぜひ見てください!

2020LMI SM Standard 振り返り

ペンパアドベント以外で記事を書かないのもなんだかなということで、オンライン大会の結果と軽い振り返りをまとめていこうと思います。

 

結果

得点:119.2点(100点満点)

全体順位:58位/471人

国内順位:12位/27人

 

各問のタイムと得点効率(解いた順)

1.Windoku - 1   2pt

2分51秒 0.70pt/min

印刷時間込みとはいえ、今回最も得点効率が低かった問題。6×6のWindokuは見慣れていないから遅かった?

2.Windoku - 2   7pt

4分56秒 1.42pt/min

Windoku特有の手筋のおかげで比較的すらすら解けました。後半やや失速したかもしれない。

3.Diagonal - 1   5pt

1分34秒 3.19pt/min

6×6で5点、の割にはそんなにやばさを感じることもなく解けたので、今回最高得点効率になりました。

4.Arrow - 1   5pt

2分15秒 2.22pt/min

こっちの方がDiagonal - 1よりも難しかったです。理詰めするとタイムロスしそうだったので、仮定して引きに行きました。結果的に1回で引けたので高効率でした。

5.Arrow - 2   13pt

8分44秒 1.49pt/min

あまりどう解いたか覚えてないですが、確か理詰めで解きました。配点の高い問題でしたが、それなりの時間で解いたので悪くはないかなと思います。

6.Palindrome - 1   1pt

46秒 1.30pt/min

1点なので簡単でした。

7.Palindrome - 2   8pt

3分35秒 2.23pt/min

真っ先にPalindrome部分の候補を書き出していったおかげで高効率でした。

8.Thermo - 1   2pt

1分40秒 1.20pt/min

これも順当に解けた感じですが効率はそんなに良くないですね……

9.Thermo - 2   10pt

4分50秒 2.07pt/min

Thermoはそんなに得意ではないですが、最初に候補を書き出していったので

効率はいい方でした。

10.Classic - 4   12pt

10分13秒 1.17pt/min

Thermo - 2の次はDiagonal - 2に手を付けましたが、詰まってしまったので8分ほどでとりあえず他の問題を、ということでClassicへ。

終盤は仮定を駆使して何とか切り抜けましたが、得点効率は低めでした。Classicの高配点は遅いし早くなるような気もあまりしないので普段は手を付けないんですが、今回はFinishが見えていたので手をつけざるを得ませんでした。

11.Classic - 3   5pt

1分55秒 2.61pt/min

自分の場合、Classicは問題との相性が露骨に出るんですが、この問題は異様に相性が良かったようです。

12.Classic - 2   5pt

3分21秒 1.49pt/min

13.Classic - 1   5pt

2分43秒 1.84pt/min

残りの2問のClassicはあまり言及することもないので次へ。

14.Mini Classic - 4   1pt

42秒 1.43pt/min

15.Mini Classic - 3   2pt

1分41秒 1.19pt/min

16.Mini Classic - 2   2pt

1分2秒 1.94pt/min

17.Mini Classic - 1   1pt

37秒 1.62pt/min

18.Diagonal - 2   14pt

17分23秒 0.81pt/min

今回の最高配点。一回詰まったのでいったん離れて、最後に再び手を付けました。経験上、ずっと同じ問題で煮詰まっていても進まないのでそうしてみましたが、結局効率は良くなかったです。

対角線の候補を全部書き出してじっくりチェックしていったので理詰めで解けましたが、時間はすごくかかりました。仮定しようにもどこを仮定すべきかが見えないので、これ以上タイムを縮めるためにはDiagonalの難問に慣れるしかないかなという気がします。

 

まとめ

というわけで振り返り終わりです。見慣れたVariantばかりでしたが、Diagonalについてはまだまだ苦手だなという印象でした。また、フィニッシュはしたものの、順位で見ると自分の実力が上がったという感じでもなさそうです。

とりあえずしばらくはPのオンライン大会になりますが、Sの方も早くなっていきたいです。次回も頑張りますっ!

Roundabout

 この記事はひこうきさん主催のペンパアドベントBの18日目の記事です。

adventar.org

 

 こんばんは、10日ぶりの初月葉桜です。

 今回はペンパアドベントBで公開する問題として、あまり作ったことのない、かつネタ被りしなさそうなものをと思い、今年のWPCのRound4で出たRoundaboutを自分でも作ってみました。Roundaboutというと日本語では「環状交差点」という意味ですが、ここでは6つのパズルがそれぞれのヒントを介してつながっている盤面を環状交差点に見立てているんだと思います。そもそも日本だと環状交差点が珍しい気がするので写真を載せておきます。(不要では?)

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 本題の盤面ですが、こんな感じになりました。ルールを下に書きます。ちなみに英語のルールはWPC2019のインストに書かれているのでそちらもどうぞ。

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ルール

左上:スリザーリンク(Slitherlink)

・通常のスリザーリンクのルールに加え、外側の数字は、その列(行)のなかでループの内側に入るマスの数を表します。

左中:Difference Sudoku

・通常の6×6数独のルールに加え、外側の数字は、その数字側から見てその列(行)の手前2マスに入る数字の差を表します。

左下:Tents

・タテヨコナナメに隣り合わないようにいくつかのテントを配置します。

・テントと木はタテヨコに隣り合った1対1のペアになります。

・外側の数字は、その列(行)に入るテントの数を表します。

右上:First Seen Coral

・いくつかのマスを黒くぬります。黒マスはひとつながりになりますが、2×2以上のカタマリになってはいけません。また、全ての白マスのカタマリは盤面の端に接します。

・外側の数字は、その数字側から見てその列(行)の最も手前に入る連続した黒マスの長さを表します。

右中:Doppelblock Skyscrapers

・全ての列(行)に1~4の数字と黒マス2つが入るように盤面を埋めます。数字はビルの高さを表します。

・外側の数字は、その数字側から見てその列(行)の1番目の黒マスから見て、2番目の黒マスまでに見えるビルの数を表します。ヒントが0の場合は、黒マスが隣り合っていることになります。

右下:Battleships

・盤面に指定された船を置きます。船同士はタテヨコナナメに隣り合ってはいけません。

・今回の船のセットは、1×3の船×1、1×2の船×2、1×1の船×3です。船は回転させても構いません。

・外側の数字は、その列(行)で船が占めるマスの数を表します。

全体ルール:Roundabout

・パズルの盤面が隣り合っている場所では、ヒント数字(盤面に応じて自分で書く)が隣り合います。隣り合うヒント数字が一致するすべての箇所は灰色の枠で囲われています。逆に、灰色の枠で囲われていない箇所では、隣り合うヒント数字が一致してはいけません。

 

 以上がルールです。要は複数のパズルでヒントが連動します、ということです。ルールが多いので、質問や正解チェック等あれば@Xana_uzzleまたはコメントにてどうぞ。(答えは後日あげるかも)

 

 作ってみた感想としては、まだまだ妥協の多い盤面になってしまったなという感じです。入口にしやすいパズルとしづらいパズルがあるので、もう少し配置をしっかり考えるべきだったかもしれません。また、灰色枠がない部分というのはある部分に対してヒントを波及させづらいので、灰色枠を多用してしまいましたが、その分解きやすさは向上したと思います。

 今回はWPCと同じパズルのラインナップで作りましたが、他のパズルでもRoundaboutは作れそうなので、いいアイデアがあればまた作ってみたいところです。

というわけでペンパアドベントB、18日目の記事でした。ではまた。

ミニパズルの魅力

 この記事はホームさん主催のペンパアドベントAIの8日目の記事です。

adventar.org

 1年ぶりにこんにちは。初月葉桜です。

 ペンシルパズルアドベントカレンダーの時期ですね。今年もカレンダーに参加させていただいています。

 今年のテーマは「ミニパズル」です。その名の通り小さいパズルについて語っていきたいと思います。なお、この記事でいうミニパズルは、主に6×6~8×8くらいのサイズを指すことにします。また、標準サイズおよび大きいサイズのパズルについて何か言う記事ではないことをあらかじめことわっておきます。

  突然ですが、一般的なパズルのサイズっていうとどれくらいの大きさを思い浮かべますか?例えばニコリの定食パズルは、一部を除いて10×10が最小サイズになっています。実際にTwitterやPuzzle Squareに投稿されるパズルも10×10より小さいサイズはなかなか目にしません。PGPやWPCなどで出題されるニコリ以外のパズルも、ビルディングパズルやDoppel Blockなど一部のパズルを除けば、10×10が標準サイズといっても過言ではありません。それらより小さい問題といえば例題くらいでしょう。

 このように、ミニパズルと呼べる問題はあまり目にしません。それではミニパズルが少ないことでどんな問題が起こるでしょうか?

 結論からいうと、「なくても困らない」ので特に問題はありません。でもそうするとこの記事の意義がほぼないので、ミニパズルの長所を挙げることで、ミニパズルを「なくても困らないけどあると嬉しいもの」にしよう、というのがこの記事の趣旨です。

 それではさっそく、ミニパズルの長所を挙げてくことにしましょう。

 

ミニパズルの長所

その1:すぐ作れる

 盤面が小さいので、通常サイズより作るのにかかる時間が少ないのは言うまでもありません。電車で移動中の片手間にスマホで作る、みたいなこともしやすいです。もちろんこだわって作ろうとすると多少時間はかかりますが、通常サイズより気軽に作れます。

その2:凝りやすい

 盤面が小さいので、作意をコントロールしやすいと思います。また、1つの手筋にこだわって作っても、小さい盤面なら解き手にとってもくどくならずに済みます。

その3:難しすぎてもいい

 出来上がった問題が難しすぎても、解き手としては試行錯誤に走って無理やり解くこともできます。小さいので。なので安心して難しい問題が作れます。

その4:幅広い問題が作れる

 例題のような簡単な問題はもちろんのこと、大域手筋のような難しい手筋を仕込んでみたり、試行錯誤を要する問題を作ってみたりと、いろんなタイプの問題が作れます。盤面が狭いので、試行錯誤問題を作るときも唯一解チェックが(比較的)楽です。

 

 作り手のメリットばかり挙げているので、解き手にとってのメリットも書いていきます。

その5:解きやすい

 簡単な問題ならつまみ食い気分でささっと気楽に解けます。一方で、難しい問題は、重たくても小さいのでひと山超えたら解けることも多いですし、試行錯誤問も小さいから試行錯誤しやすいと思います。

 

 というわけでミニパズルの布教、もとい魅力を語ってみました(解き手のメリットが少ないという声は聞こえません)が、実際にうまく言語化できている自信はあまりないです。ならば実際にミニパズルを解いてもらうのが一番いいと思い、8日ということで8問ほど作ってみました。種類や難易度も様々ですが、ぜひ解いてもらえれば、あわよくばミニパズルが広まれば嬉しいです。

ファイブセルズ

https://puzz.link/p?fivecells/6/6/7m1a0i1a2g

f:id:Hazakura13:20191207195702p:plain

Tapa

https://puzz.link/p?tapa/6/6/ja7haez1haej

f:id:Hazakura13:20191207200035p:plain

バッグ(Cave)

https://puzz.link/p?bag/6/6/h5j6h3g4p5g4h5j3h

f:id:Hazakura13:20191207200049p:plain

ヤジリン

https://puzz.link/p?yajilin/7/7/d32l41m41l12d

f:id:Hazakura13:20191207200115p:plain

スリザーリンク

https://puzz.link/p?slither/7/7/g25862bich8866bhci37882a

f:id:Hazakura13:20191207200127p:plain

美術館

https://puzz.link/p?akari/7/7/n76cm.g7cm7.g.n

f:id:Hazakura13:20191207200140p:plain

グラーデヴェグ(Geradeweg)

https://puzz.link/p?geradeweg/7/7/i3g1i2l1g2k1k3g2l1i1g2i

f:id:Hazakura13:20191207200151p:plain

ペンシルズ

https://puzz.link/p?pencils/7/7/3n3l3n3who3kis3m

f:id:Hazakura13:20191207200204p:plain

 最後に宣伝を1つ。2019年12月15日24時まで、ミニパズル大会第2弾を開催中です。こちらのフォームから参加できます。皆さんの参加をお待ちしてます!

drive.google.com

 というわけでペンパアドベント8日目の記事でした。最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

 

 

 

 

ミニパズルに関する余談

 自分が「ミニパズルっておもしろいな」と思い始めたのは、トケタ?Vol.7のp91に掲載されている枝豆さん作のSum Fillominoがきっかけでした。あまり大きくなくても考えさせられる問題が作れるな、ということを実感しました。

 今年はドイツで開催されたWPCに参加しましたが、その中にMiniatureラウンドがありました。4×4のKiller Sudokuなど、小さいながら試行錯誤を要する問題が大量に出たラウンドで、2問ほど誤答してしまったものの、とても楽しいラウンドでした。

 というわけでミニパズルを今後も推していきたいと思います。今度こそ最後まで

読んでいただきありがとうございました!