ぬりみさき10連ガチャRTAのプレイ動画を撮ってみた

この記事は、ペンシルパズルI Advent Calendar 2022の12日目の記事です。

adventar.org

 

こんばんは、初月葉桜です。

今回はタイトル通り、ぬりみさき10連ガチャRTAをプレイして、それのプレイ動画を撮りました、という話です。動画を見て、自分が解くときに何を考えてたのかを振り返ってみよう、という趣旨で記事を書いてみました。

「ぬりみさき10連ガチャRTA」とは?

まずはそもそも10連ガチャとは何ぞや、という説明です。今回やったのは、みゃーみゃさんが開発したペンシルパズルガチャに搭載されている、「RTAモード」の「ぬりみさき10連ガチャコース」です。10×10サイズのぬりみさきを自動で10問生成し、それをすべて解き終えるまでのタイムを計測できる楽しいツールです。

ちなみに、ヤジリンやシャカシャカのコースや、10種類のループパズルが混ざったコースなどもあるほか、自分でコースを作成してそれでタイムを測ることもできます。自分が普段よくやっているのはシンプルループ10連ガチャRTAですね。

ペンシルパズルガチャについては、ペンシルパズル百科にも詳しい説明があります。

scrapbox.io

 

プレイ動画を振り返る

さて、タイトルや冒頭でも述べた通り、プレイ動画を撮ってみました。

youtu.be

とりたててタイムが良いわけではないのですが、これでもあまりグダグダにならなかった方だと思っているので、これについて、解いていた時に考えていたことを書いてみます。(ちなみに動画撮るのは4回くらいリテイクしました)

あらかじめ、RTAの結果を先に貼っておきます。

1問目 0:22~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/2k.g.p.i.i.n4g2g2x..h.h.n.h.i2l..h4l

(0:22)まずは数字ヒントから見ていたのですが、とりあえず2の周辺しか決まりません。

(0:28)その後は左下と右上を少し進めていますね。左下では2の下を、右上では2の上を白マスにすると、黒マスによって盤面が分断されてしまうので、黒マスが確定しています。

(0:40)右上ではその後、2行目10列目の丸が上や下に伸びるとやはり分断されるので、左に伸びると確定しています。白マスがひとつながりになるように、というのは割と多くの問題で意識することが多かったです。

(0:59)ここで唐突に黒マス2つを決めています。これは、決めた2マスのいずれかが白マスだと仮定して進めると、みさき全表出ルールや黒マス2×2禁などにより白マスが発生し、結果として右端に孤立した白マスができてしまうため、仮定が間違っている、というものです。このあたりのことを頭の中で考えてたのですが、この思考が早くなるとタイムも良くなりそうですね。

    

(1:07)ここで決めた黒マスは、一番下の4が上に伸びると仮定するとハタンするから、という理由で決まったものです。図のように、上に伸ばすと黒マスがいろいろ決まるのですが、このまま進めると左下が孤立するため、矛盾してしまいます。

その後右下を進めてますが、先に図のような感じで進める方が絶対早そうですね。すぐ決まるところを見落としたりするのは、早解きする上では克服したいところです。

(1:34)4が下に伸びると2×2禁ルールに反する、ということで左に伸びると決まるのですが、結構ここを決めるまでに間があったような気がします。言い訳すると、「どこから決まりそうか」というのが結構見えづらいなーと思いました。数字のところから決めるのがなんとなく早そうではありますが……

あとは比較的素直で、解になるように黒マスを置いていく感じでした。解答判定が出れば良いので、終盤はなんとなく解を探っていく雰囲気になることも多いです。

2問目 1:52~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/3k3r.i.i.n.j.g.i2j.m8t7t.g4h.g3h

(2:20)今回は数字が多く、この辺りまでは素直に決まってくれました。が、そこから先、左上のエリアがとっかかりに乏しく、手が止まってしまった感じです。ここでは、3行目4列目の丸が下に伸びると仮定したところ、左上の方でハタンしたので、下に伸びないことが確定しました。

結果的には脳内で処理するには長めの仮定でしたが、多分「解を引けたらラッキー」という気持ちで直接塗っていたように記憶しています。その後もなんか解を見つけるのに手こずって30秒くらいぐだぐたしてますね。序盤が親切な問題だった割に遅いのはそういうことです。

3問目 3:09~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/g.r3n2j3i.q.i.j.k5u4g5j.i.j.l.g

この問題も最初に数字ヒントから結構決まっていくのですが、なぜか右上の3を放置して左上を進めてますね……。なんとなく角から詰めて解けるところまで解いていく、というスタイルをとっているようです(他人事)。

(3:59)ここで4の向きを決めているのは、上に伸ばすとハタンする、ということです。さっきからこういう2択の仮定を結構やっている気がします。人が作った問題ではないので、明確な理詰めがないことも多々ありますし、それでこういう解き方が多くなっているのかもしれません。あと、早く解く上では理詰めを探すより手を動かしたほうが早い時も多分あります。(その割に自分は結構考え込んでしまうタイプですが)

あとはぬりみさきの解っぽくなるように黒マスを置いて完成です。

4問目 4:12~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/.i4j.h.m.k.g.q.h3k.j5i.j.k3m.j.i.i4h.l

この問題は、最初は数字に注目していった後、全体の白マスのつながりを意識して白マスを伸ばしていくことで割とスムーズに解けました。左下の4が上に伸びて、それにより決まった黒マスから、5が左に伸びず、さらにそれにより左の3が上に伸びると決まって、一番上の4まで連鎖していくという流れです。数字ヒントから決まるとはいえ、結構決まり方は緻密な方かもしれません。

(4:47)何も解説しないのもあれなので、ここでは右下の決まり方を軽く見ていきます。ぬりみさきの丸のマスは、三方が黒マスになるため、丸のマスを通過するように白マスを伸ばしていくことはできません。つまり、黒マスとみなしても大きな齟齬はないかな、と思います。したがって、右下の3から下に伸びた白マスは、7,8列目にある丸を避けるようにして、一番下の行を進んでいくことになります。このように考えると進む場面が割とあります。

5問目 5:00~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/l.g.g2l.g.j.p.q.i3j2i2g2j.zg.4h.g.h2g

(5:30)右下の2の向きは、右上から伸びる白マスの通り方を考えると決まります。先ほど述べたように、丸を通過して白丸を伸ばすことはできません。したがって、右上の白マスは、4行目で丸と黒マスの間を通って左に抜けようとしても、6列目の丸に阻まれてしまいます。よって、8行目9列目のマスを通って、右下から中央下というルートで白マスが伸びます。8行目9列目が白マスと決まるので、右下の2は左に伸びることになります。

結局終盤手が止まって、十数秒してから答えを引きに行っているんですよね。手が止まってすぐ引きに行けば良いのですが、つい理詰めを探して考え込んでしまうのが自分だなという感じです。動画で振り返ると手が止まっている時間が顕著に表れているので、そこを改善できると早くなるのでしょうか。

6問目 6:17~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/m.h4w.g.h.i.j.t.i.g.h.k3g2p.j4n2

(6:30)少し手が止まってからおもむろに3マス黒を決めていて「何をしているんだ??」と自分で思ってしまいました。これは、左下の4を含む白マスがどうやって左下のエリアを脱出し、他の白マスとつながるか、を考えた結果になります。

図のように、左端から抜けていこうとすると、白マスが伸びて4というヒントに矛盾してしまいます。したがって、下側を通って進んでいくと分かり、その結果として黒マスが3マス確定します。

(6:46)ここも先ほどやったことと近いです。先ほどまで考えていた白マスのカタマリは、左上の4の方に進まないといけません。その際、右端を進んで右上隅の方を通ろうとすると、黒マスが邪魔になり通ることができません。したがって、8列目の4行目と6行目にある2つの丸の隙間を通り抜ける必要があり、黒マスが6つ確定します。

なお、その後に右上の方を確定させていますが、ここでは「カップの手筋」というものを、最上段にある丸に適用しています。カップの手筋については、SP1さんによるぬりみさき手筋集に記載があるのでそちらを参照してください。他にもいろいろな手筋が書かれており、参考になります。

sp1-puzzle.hatenadiary.jp

7問目 7:17~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/.n8u6g.h4q3q.h.k.k4t.g.h.g.n

大きい数字があって親切!かと思いきや、この問題が一番時間がかかりました。

(7:42)何をしているかというと、6が左か下の2択なので、左を試してみよう、という感じです(手が止まる前にやってほしい)。左に伸ばすと、左端の4も一緒に決まり、1枚目の図のようになります。次に、カップの手筋をここでも活用すると、3の下のマスは白マスに決まるため、3が下に伸びます。ここから、白マスを脱出させようとすると、2枚目の図の点を打ったマスは白マスになりますが、実際には丸の周りに黒マスも確定してこのように通ることはできません。このように長い仮定を経て、6は下に伸びることが分かります。

繰り返しにはなりますが、ここでも白マスの伸び方を考えています。全部の丸を白マスを介してつなげるパズル、と思っても良いかもしれません。

    

(8:12)ここで左端の4が下向きだと決めています。これは、4が上向きだと紆余曲折を経て左下でハタンするからです。ただ、早解きするなら、ユニークネスを用いた方が早いかもしれません。

例えば、左端の領域は、次の図のように2通りのパターンが考えられますが、いずれも他の場所に影響を及ぼさず、成立しています。すなわち、4が上向きで正しいとすると、解が複数あることになりますが、ここで出題されるパズルは唯一解が保証されていると思われるため、4は上向きではありません。

    

このような、解が唯一であるという事実を用いた考え方はユニークネスと呼ばれ、早解きする際では使われることがあります。ただし、間違った推論をすると間違った結論を出してしまうため、自分はちゃんと理解できていないものは使わないようにしています。

8問目 9:12~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/l.h.3l2l.l.m.q.i.h.k.j.g2n2k.h4j.i2g

(9:15)左端の7行目のマスは、白マスだと仮定すると、そこから白マスが上下に伸び、2のヒントと矛盾します。そのため、ここを黒マスだと決めています。もっとも、右下を早く決めてしまった方が有意義な気はしますが。

(9:40)ここでは、「Nの手筋」が使われていますね。

(9:50)このあたりでまた手が止まっていますが、丸が少ない広いエリアが残ると手の付け所が分からなくなったりします。この時は結局、それっぽい黒マスの塗り方をして解にたどり着いていますが、こういう「それっぽさ」っていうのは言語化できるものなんでしょうか?

9問目 10:41~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/i.g.g.h.m7r.n.j.g.p.n6i.g.g4j.i.h.i.n

この問題が一番早く解けました。大きめの数字により全体が序盤でだいぶ決まる、親切極まりない問題でしたね。とはいいつつ中央上の方でなんかもたついてはいるのですが。

難しいことはしていないと思うので、解説は省きます。

10問目 11:23~

http://pzv.jp/p.html?nurimisaki/10/10/h2v3h.s2k.j3i3j.x.g.k.k.g.i.g.h

(11:32)下の方で唐突に黒マスを決めていますが、これは特徴的な形で見覚えがあったから気づけたかもしれません。

最下段の6列目、8列目の丸、どちらでも良いのですが、上に伸びると仮定します。すると、2つ上の丸は下向きに伸び、白マスは左右方向に伸びて脱出しなければいけません。ところが、9行目の4列目、10列目にある白丸が邪魔をして、脱出することができません。したがって、今触れた最下段の2つの丸はいずれも上向きに伸びません。

ここで出てきた、正六角形をつぶしたような配置の6つの丸(8~10行目、4~10列目)の形が特徴的なのですが、それと似た形が実は6~10行目の6~8列目にある5つの丸によって作られています。先ほどと同様に考えると、丸の伸びない方向が確定し、黒マスが決まります。

この問題は、ここが山場で、残りは(やや細かい部分があるものの)比較的進めやすかったです。別に早いというわけではないです

おわりに

さて、10問分振り返ってきたわけですが、把握はしていた「詰まったときに手が止まって、しばらくして仮定しだす」という癖を、実際に客観的に目の当たりにできた気がします。

また、解説をざっくりと書いてみましたが、こういうことを考えながら解いているというのが少しでも伝わったなら幸いです。使っている手筋は場面場面で異なりますが、「白マスを脱出させるような感覚でつなげる」というのはいろいろな場面で根底にあったかな、と思います。

パズルの解説って丁寧に書こうとすると大変ですが、解説の需要とか、効率よいやり方とかは気になりますね。

ちなみに、白マスの印を書かずに解いていたのは、その方が操作にかかる時間が省けるんじゃないか、と思っていたのと、最終的に白マスのつながりが書かずに見えるようになったら良さそう、と思い心の目を鍛える目的でした。真似しても良いですが自己責任でお願いします。

最後に、ペンシルパズルガチャのプレイ動画公開を許可してくださったみゃーみゃさんにこの場を借りてお礼申し上げます!

それではまたー。